先日、寮の共用風呂で背中を流していたときだった。
誰かが風呂の戸を開け、「あ、ボンズさん」と声を掛けてきたやつがいた。
私は振り向くと、そこにはあの後輩M君がいた。
M君とは昨年私が企画系の業務をやっていたときに、一緒に協力してくれた後輩だ。
性格が結構きつく、私が何度かやらかしたときも、やたら高圧的な口調で責められたので私は結構苦手としている人物だった。
噂もやたら大好きで、「あの人はああなんですよ。」「この人はああなんですよ。」と全く興味のない不必要な情報を私に教えてきましたね。
そして、M君は他部署の人間で、私がやってる業務はM君にとっては他部門の仕事ということで、何故か残業代をつけてもらえなかったみたいで、私が残業代をつけていることをよく思わなかったらしく、サービス残業を私にまで強要してきた人物でもある。
そんなM君に話しかけられたものだから、嫌な予感しか無かった。
そして、彼は口を開いた。
「ボンズさん、最近は何の仕事してるんですか。」
こ、こいつ!!俺が今雑用しか任されていないのを知ってか知らずか分からんが、私が今最も聞かれたくないことを率直に聞いてきやがった。
私はシャワーの音で聞こえないふりをして、M君に違う話題を振った。
「M君って休みの日何してるの?」
すると、M君はこう答える
「休みの日はフットサルとか百貨店とかジムとか行って何かしら出かけて過ごしてますよ!!ボンズさんはどうなんっすか。」
聞き返されてしまった。こういうパリピ系の子に、部屋でゴロゴロしてるなんて答えて大丈夫なのかしら?と回答に窮しながら
「うーん、まぁ家にいるかなぁ。」
「なにしてるんすか?」
「まぁ、ネットサーフィンとかぁ?」
これを聞いたM君は突然私の顔をガン見し、
「俺はね、暇なのが一番嫌いなんすよ!!」
と、やたら語気を強めて主張しはりました。
もう、引きこもりは死ねと言わんばかりの言い種である。
そこからあんま覚えてないけど、プライベートを外出したりして充実させない奴は人生損してるみたいなこと言いたい放題言われてしまいました。
そりゃああなたが刺激を求めすぎなんじゃないかと思いながら、面倒くさいので、聞き流していると、ふとね、やつにぶら下がってるものがね、見えてしまったんですよ。
そしたらさ、もうね、もうこんなの見たことないくらいのビックリするほど小さかったんです。ポ、ポークピッツ?いや、それ以上だった。こんなのは見たことがなかった。
何か妙に納得してしまったのが凄い印象に残っている。
何か言いたい放題言われたけど、普通に受け流すことができちゃったよ。
なんかね、同情しちゃった。
意味分からんオチになってしまった。